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読み手はイマジナリーラインを意識する


視線の動きは、
イマジナリーライン(想定線)を生む。


例えば、
左に向かうボールが次のコマで右に向かったら、
読者は混乱する(※図4)。
イマジナリーラインを意識して見るからだ。



イマジナリーラインを越える方法としては、
・ワンクッションあるコマを置く
(立ち位置が入れ替わったことを示すor
 カメラが入れ替わったとを示すor
 他のシーンのコマを挟むのも一つの手)
・瞬間的な移動により立ち位置がかわった場合
(次のコマでは動いたものに残像や動線をつけるが、
 あまりに早すぎるとそれすらない)
・物理的ではなく精神的な立場が入れ替わったとき
(イマジナリーラインを越えた違和感をむしろ利用して
 攻めと受けが替わったことを印象付けられる)
・コマの段落が変わるとき
(斜め右下のコマに視線が移るとき)
・ページが変わったとき

ちなみに
喋るor動く人物が3人以上だと、
読者がイマジナリーラインを把握しきれなくなり、
配置替えは容易になる。
しかし、漫画は絵だけでなくセリフも読むので、
セリフに重点を置いた漫画では、
イマジナリーラインの束縛は薄い。

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視線にそった構図・さからった構図


視線の原則をかんがえて構図を決めないと、
伝わりづらい絵になってしまう。

視線にそった構図をつかえば、
話し手は視線の先に向かって話し(注1)、
投げたボールは視線の先に、
ランナーは視線の先に向い走り・・・、
というような視線に合わせた構図にすれば伝わりやすい。


コマによる視線と絵による視線の連動は無視できない、
読みにくくなってしまう。


じゃあ、
視線にさからった構図はダメなのか?
これも、必要である。
話の聞き手が「受け手」で、
ボールだとキャッチャー、
ランナーにとってはゴール地点や障害物が「受け手」。


受け手は視線にそった構図の逆、
つまり向かい合うように描く。
右からくれば右を向く。
でも、
正面からくれば正面で受ける(背中で受けるケースもある)


注1 「背中越し語り」や「独り言」の場合は別。

視線を生む3原則



構図の基礎をみにつけて、
一枚の絵は描けるようになっても、
絵の連続したもの・・・コマ割りができるわけじゃない。
コマ割りは視線誘導が大切になってくる。
(※「視線」とは漫画を読む目の動きのこと)

視線を意識することで何が生まれるか。
「間」や「時間」だ。
視線には3種類ある。


1つめは「吹き出しによる視線」
2つめは「コマによる視線」
3つめは「絵やビジュアルによる視線」


1つめの「吹き出しによる視線」
日本の漫画はふきだし(セリフ)が縦書きだから、
「右から左へ」もしくは「左斜め下へ」という視線の動きがある(注1)


2つめの「コマによる視線」
例えば、
左端のコマから下段右端のコマへ読むときに、
「右斜め下へ」と視線が動くし、
左下端のコマから次ページ右上端のコマへ読むとき、
「左斜め上へ」と視線が動く(※図1)。
  

 
 
3つめの「絵やビジュアルによる視線」
登場人物の視線の先に視線は向かいやすい。
そしてコマ内に複数のモチーフがあれば、
目立つものや大きなものに視線がいきやすい(注2)。
あるいは、連続したモチーフを視線がたどる(※図2)
これは映画スクリーンの上下を黒で塗りつぶすことで、
真中の画に集中させるのとほぼ同じ、
 集中線もこれの仲間。
  
  
  
注1 横書きの擬音(左から右へ読む)があるが、
   あえて視線を混乱させてコマに少しでも目が留まるような意図。
   縦書きの擬音はスピード感重視だ。

注2 大きく描きすぎるとコマをはみ出す「断ち切り」という描き方。
   断ち切りはモチーフを詳しく描けるし、目立たせられる。
   が、頻繁にやるとごちゃごちゃしてみえ、効果的ではない。

演技について


ぶっちゃけ、
棒立ちでも漫画は成立するのだけど、
いちおう演技をつけさせると以下がある。


・人物の視線
1、二人の視線を合わせるのは相思や対決
2、二人の視線をずらすと微妙な関係
3、視線から離れそっぽを向くと無関心や拒否
4、視線が交差すると穏やかな想い

・ポーズ
1、手や足を閉じるように組むと、拒否、内向、こだわり
2、軽い閉じかただと、物思い、自然、穏やか
3、解放させると、元気、歓迎
4、身体は前で顔が後ろ向きだと、心残り、困惑、嫉妬


演技とは身体による感情表現。ボディーランゲージとは少し異なる。
別々の感情を同時に持たせることで葛藤や深みが出る。
人間だから不条理は当たり前。

 



構図の空白


きっちりコマを埋めることだけが漫画じゃない。

背景やモブ(群衆)も大切だけど、
描き込みすぎを注意。


・余白が広い(情報量小) 
上品な、余裕がある、しみじみとした、静かな

・余白が狭い(情報量多) 
元気、積極的、緊張感、圧迫感、迫力のある

 
違うモチーフを
同じコマ内に描くのか、別々に分けるのか、
離れていたものがくっ付いたり、
その逆もまたテンポをつくり、ドラマチックさをもたらす。


テンポをつくるために、「捨てゴマ」も使おう。
捨てゴマは、
空白のようなものでそれがページ内にあると一息つける。
空白といっても何気ない仕草や背景が描かれ、
本当に何も描かないこともある。
背景や仕草は暗喩となることも少なくない。

場面や状況や心境が変わったり(変わりそうな)ときに、
読者が考えたり感じたりするタイミングが出てくるので、
そのタイミングを計算して捨てゴマが置ければハマる。


構図の高低感覚


デッサンであれば見たままを描けばよいが、

ストーリーやテーマ性のある絵であれば、
縮めたり伸ばしたりすべき。


・ハイアングル(俯瞰)
客観的で立ち位置を説明するときなどに使う。
また、
垂直線を短縮し、物や人の高さを縮め情報を減らせる。

・人の目の高さ
違和感を覚えにくく、日常シーンでよく使われる。

・ローアングル(煽り)
垂直線を伸ばし、
人や物が大きく見せられ、シーンを崇高させる。

構図の平衡感覚


構図の基本は2種類といったが、

コマの形によって、
相性のよい構図がある。


・水平
休息、休止、穏やか、死、自然など…
横長のコマで強調しやすい

・斜線
躍動、積極、力強い、不安感など…
正方形のコマで強調しやすい。

・垂直
自立、意志、無駄のない、緊張感など…
縦長のコマで強調しやすい


例えば、
水平にそったモチーフの描き方をすれば
「休息」などが表現しやすい、ということ。
水平・斜線・垂直は組み合わせることもある。
交差したり、ぶつかったり、遮ったりする。
一筋縄ではいかない場合もあり。

ちなみに、まっすぐに描くとは限らない。
「曲線」になるように描くと、やわらかい感じが出る。

構図の基礎


コマ割り上達には、
トライ&エラーを繰り返すのが王道だとおもう。
が、
構図の基礎をしったうえで挑むのも悪くないだろう。


構図をむつかしく考えてないだろうか。
いや、基本は2種類しかないから。
 
・シンメトリー型(左右対称)

・アンバランス型(片寄り)


シンメトリーは気持ちを中心に向かわせ、

威厳や安定や静寂、内面的なこだわりが表せる構図。
たいていはきっちり左右対称にするのではなく、
少し崩して使われる。
アンバランスは対象が片方に寄っている。
不安定さや流れ、動きを表現する構図。


ただ、
どちらか判断つけがたい構図もある。
図1なんかは、
左右非対称だけど、斜めとして見ると少し対称っている。
  

殺陣、受けの流れフローチャート解説


受けは攻めよりも入り組んでいる。

図の時間は左から右方向に流れる。


 【当たる】
攻撃が当たる瞬間。
この段階では当たった結果どうなったのか、
まだわからなくてもいい。


 【かわす】
かわした場合、すぐに反撃か逃避に移る。
もしくは、再度かわすか。


 【怪我や装備の破損】
攻撃が当たって無傷だったらいいけど、
攻撃されれば何かしら変化あるはず。
この動きの次に2つ道がある。
(無論、怪我等がない場合もあるけど)


 【吹き飛ぶ】
これは文字どおりの意味


 【空中で体勢を変える】
吹き飛んでいる間に体勢を変える。
受身みたいなものか。


 【着地する】
空中で体勢を変えているかいないかで、
着地時の描き方は違ってくる。
きれいに受身をとるのか、
ごろごろと転がるのか。


 【真剣白刃取り】
 【つばぜり合い】
真剣白刃取りとの違いは、
敵の動きを封じられるかどうか、で決めた。


 【わざと受け、動きを封じる】
武器をつかむとか、
装備や身体に武器がめり込ませて
相手の動きを封じる(肉を切らせて骨を断つ、のような)動き。
この時点で攻撃側が戦意喪失してしまうことも。
(まれに手づかみで受ける場合も)


 【弾く】
鎧や盾、あるいは武器で攻撃を弾く動き。
うまくいけば相手の武器を壊せる。


 【反撃or逃げる】
反撃の場合、どの動きからでも再スタートを切りやすい。

 

以上が攻めと受けの構成。
構成を再現することに慣れたら、
省略したり増やしたり入れ替えたりしてみよう。











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