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コマ割りはどう書かれてきたのか?


コマ割りについて書かれた本を比較感想していく


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絵の構成要素


・隠す
・捻る
・傾ける
・伸ばす
・曲げる



「マンガコマッタラー」というコマ割りツール



無料で使える「
マンガコマッタラー
というツールがある。
文章から自動でコマ割りを作成するツールだ。


ちょっとだけ使ってみた感想
正直、ベターなコマ割りなので、
これをそのまま使うのは気が引けるが、
ベターなコマ割りを知るにはうってつけだし、
そこに自分なりのアレンジを加えたり
自分が作ったコマ割りじゃないので、
演出について客観的にみられるていうのが
賢い使い方じゃないかな、と。


サイト下部にあるコマ割りについてのコラムがあり、
基本をきちんと押さえてあって
初心に戻れるのですごく使い勝手が良い。

これからのバージョンアップにものすごく期待できる。

未完成の漫画設計支援ソフト


POMという漫画設計支援ソフトを
ご存じだろうか?
くわしくは以下のWikiをご覧いただきたい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/POM_(%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%88%B6%E4%BD%9C%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88


コマ割りの原案をソフトがする。
そういう未来はもうすぐそこかもしれない。


コマ割りの第一歩


コマ割り(ネーム)ってやっぱ敬遠されてるかも。
「技術」というより「感覚」なので、
どうしても教えにくい。
だからなのか専門書は少ないし、
内容も似たりよったりだ。


でも、
原則は簡単なのだ。
絵やセリフの見せ方をコントロールして、
読者に時間や感情の流れを伝えること。
だから億劫にならず、絵と向き合いましょうや。

読み手はイマジナリーラインを意識する


視線の動きは、
イマジナリーライン(想定線)を生む。


例えば、
左に向かうボールが次のコマで右に向かったら、
読者は混乱する(※図4)。
イマジナリーラインを意識して見るからだ。



イマジナリーラインを越える方法としては、
・ワンクッションあるコマを置く
(立ち位置が入れ替わったことを示すor
 カメラが入れ替わったとを示すor
 他のシーンのコマを挟むのも一つの手)
・瞬間的な移動により立ち位置がかわった場合
(次のコマでは動いたものに残像や動線をつけるが、
 あまりに早すぎるとそれすらない)
・物理的ではなく精神的な立場が入れ替わったとき
(イマジナリーラインを越えた違和感をむしろ利用して
 攻めと受けが替わったことを印象付けられる)
・コマの段落が変わるとき
(斜め右下のコマに視線が移るとき)
・ページが変わったとき

ちなみに
喋るor動く人物が3人以上だと、
読者がイマジナリーラインを把握しきれなくなり、
配置替えは容易になる。
しかし、漫画は絵だけでなくセリフも読むので、
セリフに重点を置いた漫画では、
イマジナリーラインの束縛は薄い。

視線にそった構図・さからった構図


視線の原則をかんがえて構図を決めないと、
伝わりづらい絵になってしまう。

視線にそった構図をつかえば、
話し手は視線の先に向かって話し(注1)、
投げたボールは視線の先に、
ランナーは視線の先に向い走り・・・、
というような視線に合わせた構図にすれば伝わりやすい。


コマによる視線と絵による視線の連動は無視できない、
読みにくくなってしまう。


じゃあ、
視線にさからった構図はダメなのか?
これも、必要である。
話の聞き手が「受け手」で、
ボールだとキャッチャー、
ランナーにとってはゴール地点や障害物が「受け手」。


受け手は視線にそった構図の逆、
つまり向かい合うように描く。
右からくれば右を向く。
でも、
正面からくれば正面で受ける(背中で受けるケースもある)


注1 「背中越し語り」や「独り言」の場合は別。

視線を生む3原則



構図の基礎をみにつけて、
一枚の絵は描けるようになっても、
絵の連続したもの・・・コマ割りができるわけじゃない。
コマ割りは視線誘導が大切になってくる。
(※「視線」とは漫画を読む目の動きのこと)

視線を意識することで何が生まれるか。
「間」や「時間」だ。
視線には3種類ある。


1つめは「吹き出しによる視線」
2つめは「コマによる視線」
3つめは「絵やビジュアルによる視線」


1つめの「吹き出しによる視線」
日本の漫画はふきだし(セリフ)が縦書きだから、
「右から左へ」もしくは「左斜め下へ」という視線の動きがある(注1)


2つめの「コマによる視線」
例えば、
左端のコマから下段右端のコマへ読むときに、
「右斜め下へ」と視線が動くし、
左下端のコマから次ページ右上端のコマへ読むとき、
「左斜め上へ」と視線が動く(※図1)。
  

 
 
3つめの「絵やビジュアルによる視線」
登場人物の視線の先に視線は向かいやすい。
そしてコマ内に複数のモチーフがあれば、
目立つものや大きなものに視線がいきやすい(注2)。
あるいは、連続したモチーフを視線がたどる(※図2)
これは映画スクリーンの上下を黒で塗りつぶすことで、
真中の画に集中させるのとほぼ同じ、
 集中線もこれの仲間。
  
  
  
注1 横書きの擬音(左から右へ読む)があるが、
   あえて視線を混乱させてコマに少しでも目が留まるような意図。
   縦書きの擬音はスピード感重視だ。

注2 大きく描きすぎるとコマをはみ出す「断ち切り」という描き方。
   断ち切りはモチーフを詳しく描けるし、目立たせられる。
   が、頻繁にやるとごちゃごちゃしてみえ、効果的ではない。

演技について


ぶっちゃけ、
棒立ちでも漫画は成立するのだけど、
いちおう演技をつけさせると以下がある。


・人物の視線
1、二人の視線を合わせるのは相思や対決
2、二人の視線をずらすと微妙な関係
3、視線から離れそっぽを向くと無関心や拒否
4、視線が交差すると穏やかな想い

・ポーズ
1、手や足を閉じるように組むと、拒否、内向、こだわり
2、軽い閉じかただと、物思い、自然、穏やか
3、解放させると、元気、歓迎
4、身体は前で顔が後ろ向きだと、心残り、困惑、嫉妬


演技とは身体による感情表現。ボディーランゲージとは少し異なる。
別々の感情を同時に持たせることで葛藤や深みが出る。
人間だから不条理は当たり前。

 



P R