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物語要素事典


ストーリーを作るうえで、ヒントになるサイト

物語要素事典

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クレしんで学ぶ、「女性が主人公のストーリー構造」


 


クレしん映画で3本の指に入るといわれる
「ユメミーワールド」って
しんのすけが主人公かと思いきや、
もろに女性が主人公のストーリー構造だったので、
『新しい主人公の作り方』を参考に解説。


 
・ステージ1、依存の世界
 サキは父に守ってもらい
 管理された夢の世界に依存する


・ステージ2、服従の代償
 サキは父に依存しているため
 対人関係が苦手で周りに冷たくしてしまう


・ステージ3、輝くチャンス
 ネネに向かって
 「私のこと、嫌いにならないって約束してくれる?」
 サキは自ら対人関係を築こうとします
 かすかべ防衛隊にも参加


・ステージ4、衣装を着る
 「衣裳を着る」とは逆もまた真なり
 サキはしんのすけらに嫌われたくないため
 ヘルメットを着けずに寝ようとする
 「衣裳を脱ぐ」ことで本当の自分になろうとする


・ステージ5、秘密の世界
 サキは依存の世界とは別に 
 父の干渉を受けない「秘密の世界」を持つ
 これは、ひみつ基地や防衛隊のこと
 秘密の世界をもつことで、
 サキは本当の自分を模索しようとする


・ステージ6、適応不能になる
 仲間と秘密の世界がバレそうになったサキは
「待ってパパ こいつら友達じゃないよ!」
「うるさいおバカ あっち行け!」
 と、仲間のために嘘をついてかばうが
 仲間には誤解され仲違いに
 ひみつ基地も友達ごっこもおしまい


・ステージ7、輝きの発覚
 秘密の世界で
 本当に自分を表現できるようになったサキは
 しんのすけに助けを求められることができ
 依存の世界と秘密の世界の垣根が壊れ
 父もそれを知るようになる


・ステージ8、枷を手放す
 このストーリーで枷は「父への服従」です
 サキはいったん父のもとを離れ、
 バクを探す旅に出ます


・ステージ9、王国の混乱
 サキの母親が出現し夢の世界を混乱させてしまう


・ステージ10、荒野をさまよう
 サキは夢の世界を作る機械を壊す
 慣れ親しんだ世界から心を切り離し
 孤独を体験するサキ


・ステージ11、光の選択
 しんのすけら仲間はどんなに頑張っても
 サキの母親を倒せません
 しかし、サキが自らのトラウマと向き合うことで
 母親というトラウマを克服します


・ステージ12、秩序の再構築
 サキは父や母と絆を結び直す


・ステージ13、輝く王国
 父の科学技術はよい方向の研究に使われ
 サキは新天地でも
 対人関係を築けるようになった
 



おおざっぱにまとめると
サキの変化に注目してみる映画なんだなぁと。
サキのセリフと感情が相反すとき泣ける。

クレしんってチェックしてないんですけど、
ユメミーワールドは3本の指に入るってのも伊達じゃない。
ストレートでわかりやすいお話ではあるんですが、
合間でギャグが挟まってるので飽きないし、
テンポよく見れますよ。
ってか、話の内容を大人はわかるとおもいますが、
子供にどこまで伝わるのかな?



 

 

BJストーリーの核



連載終了から数十年たった今も、
日本最強の短編漫画があるが、
半分以上同じパターンだ。


第1段階【ゲストキャラ】が【欲する】

第2段階【何か】を失う

第3段階それにBJが【対応】する


具体例をあげると、
秋田文庫版1巻
第1話「医者はどこだ!」
第1段階【大富豪】が【息子の命を欲する】

第2段階【仕立て屋の息子】を失う

第3段階BJが【大富豪の息子に整形した仕立て屋に治療費をあげる】
 
 

同著
第2話「春一番」
第1段階【白斑症の女性】が【初恋相手を欲する】

第2段階【初恋】を失う

第3段階BJが【初恋相手が連続殺人犯だったと突き止め撃退】


同著
第3話「畸形嚢腫」
第1段階【ピノコ】が【手術を欲する】

第2段階【姉】を失う

第3段階BJが【引き取る】


と、
かなり抽象的な見方だけど、
何かを失うってのが日本人の侘しさを刺激し、
名作たらしめる原動力になってると思う。
その後もちゃんとBJのフォローがあるので、
安心して読める。


で、
上記のパターンに当てはまらない回があるんだけど、
そのはみ出し回を探っていくのが、
BJの創作術に触れられると思う。
例えば、
同著 第4話「人面瘡」
第1段階【患者】が【人面瘡の治療を欲する】

第2段階【人面瘡】を失う

と、おもわせといて
実は、
第1段階【人面瘡】が【悪人にとりついている】

第2段階【人面瘡】を失う

第3段階 悪人は殺意がわくが、
    よみがえった人面瘡が阻む。
   「もしかしたら
    この男の良心の顔だったのかもしれない」
    というようなミスリードもある。

同著 第5話「ときには真珠のように」
第1段階【BJ】が【恩人の命を救おうとする】

第2段階【恩人の命】を失う

第3段階「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて
     おこがましいとは思わんかね」
     肩を落とすBJ

これまではゲストが【欲する】役だったのに、
今回はBJ自身が【欲する】
そして、ラストは何もできず無力なBJ。
というふうに、
アレンジを加えているので決してワンパターンにはならない。
こういうとこを学べればストーリーづくりに大きな力になる。


シナリオ構成の仕方



まず、文章の上手い下手は無視。
文章の上手さ(表現力)で読ませるなんて無理、
半端に文法かじったりボキャブラリー増やしても無駄、
読者には子供だましとしか映らない。


伏線の張り方
人は2つ以上のことを覚えたり意識しにくい、
(新しい情報が古い情報をかき消す、が完全に忘れはしない)
and記憶力に時間的制約がある。
忘れそうになるタイミングを計り、伏線は張る。
が、単調になるのを避けるため緩急ももちろんつける。


始まりと終わりを決める
舞台に制約を設ける
時間的
(24時間、高校三年間とか)
空間的
(異世界に行って帰る。脱獄するとか)
関係的
(関係性の変化や逆転がおきる。
 例、挑戦者から王者へ)


起承転結
ストーリーの基本はやはり起承転結。
しかし、全体の起承転結をつけるよりも、
むしろ各々のキャラに起承転結を意識、
それをいかに相互作用させられるかが「展開の上手さ」


テーマ
テーマ性は古いとか新しいとか気にしない
普遍性のあるテーマを外堀うめつつ、
最後にありきたりなセリフで気づかせられたらよし。
あと、テーマとは「やりたいこと」、
かならずしもセリフで表さなくてもよい。
例えばだらだらした長編が書きたい、も立派なテーマ。
面白いかは別として。


<キャラクター>
登場人物らには、
共通点やアンチテーゼをもたせよう。
たとえば、
同じ理由で行動をする。
とか、動機は違うが結果は同じになるとか。
こういうのを怠ると長編はもりあがらないし、
深みもでない。


 

「間」とは何か



よく芝居で大切なのは「間」だといわれる。
じゃあ、ストーリーで「間」を大切にするってどういうことだろう。

それは、
読み手の情報処理を計算することとおもう。
たとえば、
・興味のないことは覚えにくい。
・新しい情報を覚えたら、古い情報は忘れがち。
・逆に、古い情報をふりかえってるあいだは新たな展開を想像しにくい。
・3つ以上の事柄は記憶しにくい。
こういうタイミングを計算していれば、
伏線を使うタイミングや、
感情を爆発させるタイミングが計れるんじゃないだろうか。

普遍性はどれだけあるか知らないけど。
新人やアマなんて理論的なストーリーづくりなんてできてないんだから、
感情の流れやストーリーのうねり(テンポ・リズム)を重視したらいいかも。
そのキーワードが「間」なんだよね。







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